Nさんの写真と冷やし中華
庭の作業もひと段落し、ちょうどお昼になったので皆んなで家の中に入った。
NさんY子さん(以下; N夫妻)の家は平屋と地下室があり、Nさんがガラスのアーティストだったこともあるのか、オリジナリティー溢れる物や家具たちがそれぞれ指定の位置に並んでいる。
インドの神様や、色とりどりの長い玉の飾り、大きな葉っぱ柄の薄いカーテン。。。
その部屋の奥には、Nさんの写真が小さなテーブルに置かれていた。
写真には無造作に青いリボンが掛けられてた。
あのリボンに何か意味があるのか、そんなことを思いながらも やはりこちらは昔からの習慣であらためて写真のNさんに手を合わせた。
手を洗い、食卓に着くとY子さんが作ってくれた冷やし中華を食べることにした。
その冷やし中華は、具材をそれぞれが大皿から取って自分の麺にのせる方式なのだが、私は冷やし中華に蒸したナスをのせたのは初めてだった。
ナス自体、焼くか、素揚げか、味噌汁か。。。そんな食べ方しか知らなかったが、蒸す。ナスはすぐに冷やし中華の汁を吸って柔らかかった。
お義母さんとY子さんは、小さい時からよくナスを食べたわね!と、昔話しに花を咲かせ、お義母さんの日本から持って来たラスクはメリカ人に不評という話、そして時々Nさんの闘病中の話もした。
やっぱりなぁ。Y子さんはNさんの話になるとどうも目がうるっとしてしまう。
私たちの話は本当に転がる石のように、次々と進んでいった。