シアトルは晴天なり
出国の紙のX印、そしてベルトコンベアーに荷物を持っていかれそうになりながらも、どうにか出口へ。
そこには到着してくる家族や友人を待つシアトル住民がたくさん、そして少し離れた窓からは美しい青空が見えた。
景色だけではない。空気の匂いも異国アメリカ。どことなく甘〜いお菓子とコーヒーの香り?あぁ、着いたなぁ。ホッとしたのもつかの間。
お義母さんが首をかしげた。
「あれ?Yちゃんいないわねえ?いつも着く頃にはこのエレベーターの上から顔を出して待っていてくれるのに 道が混んでいるのかしら?」
そういえば、私が今までシアトルを訪れた2回ともY子さんはすでにここにいて待っていてくれた。
2度あることは3度ある。
私は携帯の電源を入れ、パケ放題のモードに切り替えた。
そして、Y子さんに電話をすると…
「ハイ」Y子さんの声だ!
「ハロウ、Y子さん?T子です」
「ハイ、Tちゃん どうしたの?」
「あのう…今どこにいますか?」
「私?仕事よ Tちゃんは?」
「私 シアトルに今着いたんです… でもYさんを見つけられなくて…」
「あれ?今? 私、明日だと勘違いしていたワ!」
こんな会話がありながらも。
まあ大丈夫。最初の宿泊先へはタクシーで行けばどうにかなるさという結果に落ち着き電話を切り、気を取り直して私たちはタクシー乗り場へ歩き始めた。